2025年度から、英検(実用英語技能検定)に新しい級が加わります。その名も「英検準2級プラス」
これまで「準2級には受かったけれど、2級が難しすぎて合格できる気がしない……」と立ち止まっていた受験生にとって、まさに救世主とも言える存在です。
しかし、新設級ゆえに「難易度はどのくらい?」「受ける意味ないのでは?」「合格率や合格点の目安は?」といった不安や疑問も尽きません。
この記事では、英検準2級プラスの予想合格率から、準2級・2級との具体的な違い、中学生の合格率予測、さらにはギリギリ合格を勝ち取るための裏ワザまで徹底解説します。
1. 英検準2級プラス新設の背景:なぜ「プラス」が必要なのか?
これまで、英検準2級(高校中級程度)と2級(高校卒業程度)の間には、目に見えない「高い壁」が存在していました。準2級に合格した生徒が2級に挑戦しても、語彙の難化や抽象的なトピックに太刀打ちできず、不合格を繰り返してモチベーションを下げてしまうケースが多発していたのです。
文部科学省が推奨する「英語教育実施状況調査」などのデータを見ても、準2級から2級へのステップアップで足踏みする層が最も多いことがわかっています。この「空白の期間」を埋め、スムーズな学習継続を促すために誕生したのが、英検準2級プラスです。
2. 気になる「英検準2級プラス」の合格率は?
新設級のため、現時点で公式な合格者数データはありません。しかし、英検の過去の統計データと、公式から発表されている「CEFR(欧州共通参照枠)」の指標に基づけば、その難易度と合格率を高い精度で予測することが可能です。
予想合格率は「30%前後」か
従来の英検の合格率は、おおよそ以下の通りです。
- 準2級: 約35%〜40%
- 2級: 約25%前後
準2級プラスは、これらの中間に位置することから、予想合格率は30%前後になると考えられます。2級(25%)よりは門戸が広いものの、準2級(35%超)の感覚で挑むと足元をすくわれる、絶妙な難易度設定になるでしょう。
英検準2級プラスの合格率(中学生の場合)
特に気になるのが中学生の合格率です。高校入試で優遇措置を受けたい中学生にとって、準2級プラスは大きな武器になります。
従来の英検準2級合格率(中学生)は、しっかり対策している層であれば比較的高い水準を保っていますが、準2級プラスでは「要約問題」という思考力・構成力を問う試験が加わります。単なる暗記だけでは通用しないため、中学生の合格率は一般平均よりもやや厳しい「20〜25%程度」に落ち着く可能性もあります。早めの対策が不可欠です。
3. 【徹底比較】準2級・準2級プラス・2級の違い
何が変わって、何が変わらないのか。受験生が最も知りたい「数字」と「内容」の差を比較しました。
比較表:主要スペックの差
合格点は何点?何問正解で合格か
英検は「CSEスコア」という統計的手法で合否が決まるため、「何問正解で合格」という明確なラインはありません。しかし、過去の級の傾向から、素点ベース(正答数)での目標は以下のようになります。
- リーディング・リスニング: 6割以上
- ライティング: 8割以上(配点が高いため最重要)
全体で6.5割〜7割の正解を確保できれば、合格点である1900点(予想)に到達する可能性が非常に高いです。
4. 「英検準2級プラスは意味ない」という噂を検証する
ネット上では一部で「級が増えるだけで受験料もかかるし、意味ない」という厳しい声も聞かれます。しかし、本当にそうでしょうか?
「意味がある」と言い切れる3つの理由
- 2級合格への最短ルート: 2級に何度も落ちて受験料を無駄にするよりも、準2級プラスで中間の実力を固める方が、最終的な2級合格率は高まります。
- 入試での優遇措置: すでに多くの私立高校・大学が、新設される準2級プラスを「入試優遇の対象」に含める検討を始めています。
- ライティング力の向上: 新形式の「要約問題」は、今後の大学入学共通テストや、社会に出てから必要な「情報をまとめる力」を養うのに最適です。
「意味ない」と切り捨てるのは、今の入試トレンドや学習効率を考えると非常にもったいない判断と言えるでしょう。
5. 【攻略法】合格率を下げないための対策と裏ワザ
準2級プラスの試験において、最も配点比率が高く、合否を分けるのが「ライティング」です。ここでは、ギリギリ合格を狙うための裏ワザも紹介します。
① 語彙力:2級の単語帳を「半分」完璧にする
準2級プラスの単語数は4,500語。準2級(3,600語)より900語も増えます。これに対応するには、準2級の単語帳を繰り返すよりも、英検2級用の単語帳(『パス単』など)を1冊用意し、その前半50%を完璧に覚えるのが最も効率的です。
② 要約問題の「テンプレート」活用
新設される「要約問題」は、一から文章を考える必要はありません。
- 第1文:導入(この文章は何について書かれているか)
- 第2文:理由1・現状
- 第3文:理由2・変化
- 第4文:結論 このように、接続詞(Firstly, However, Therefore等)を使った型(テンプレート)に当てはめるだけで、内容点が安定します。
③ ギリギリ合格を掴むための裏ワザ
もし「リーディングが全然解けない!」と本番で焦ったら、「ライティングに残り時間の半分以上を割く」という戦略をとってください。 英検のスコア算出の仕組み上、問題数が多いリーディングの1点よりも、問題数が少ないライティングの1点の方が、CSEスコアに与える影響が圧倒的に大きくなります。リーディングがボロボロでも、ライティングが満点近ければ、ギリギリ合格に滑り込めるのが英検の隠れた特徴です。
6. 英検準2級プラスの日程と申込方法
受験を決めたら、まずは日程の確認です。
- 2025年度 第1回検定: 2025年6月実施予定
- 2025年度 第2回検定: 2025年10月実施予定
- 2025年度 第3回検定: 2026年1月実施予定
英検S-CBT(コンピューター受験)を利用すれば、原則として毎週土日に受験機会があります。部活や塾で忙しい中学生・高校生は、S-CBTを賢く利用して、最も自信があるタイミングで申し込むのがおすすめです。
7. まとめ:準2級プラスは「自信」への架け橋
英検準2級プラスは、決して「おまけ」の級ではありません。2級という高い目標に挑むための、重要で強固な「足場」です。
- 合格率は約30%と予想されるが、対策次第で十分合格可能。
- 「意味ない」という声に惑わされず、入試優遇を賢く利用する。
- 何問正解で合格かを気にするより、配点の高いライティングを強化する。
「自分にはまだ2級は早いかな…」と感じているなら、迷わず準2級プラスへの挑戦を決めてください。その一歩が、将来の英語力に大きな差をつけるはずです。
次のステップ:まずはレベルチェックを
英検公式サイトでは、準2級プラスのサンプル問題が公開されています。まずは一度解いてみて、今の自分が「何問正解できるか」を確かめることから始めましょう!



