社労士試験合格発表後、約2週間で合格通知が送られます。令和6年度は、10月1日より新大臣就任のため、遅くなっているようですが、徐々に送られてきているようです。
合格通知書には、事務指定講習の案内が同封されております。
この記事では、事務指定講習の費用とe-ラーニングの始め方をお伝えします。
社労士 事務指定講習とは
社労士試験に合格しただけでは、社会保険労務士として独立開業や副業を始めることはできません。実務経験を積み、社労士登録を完了させる必要があります。実務経験は通常、2年以上の期間が求められるため、すぐに業務を開始できる人は限られます。
ここで重要になるのが「事務指定講習」です。これは実務経験が不足している人でも、必要な知識とスキルを学ぶことで、実務経験2年分に相当すると認められる講習です。この講習を修了すれば、社労士登録が可能になり、社会保険労務士としての第一歩を踏み出せます。
社労士試験合格後、実務経験が無い方は、事務指定講習を受講しましょう。
しかし、事務指定講習は年1回しかなく 社労士合格後 11月から申込を行い 通信指導とEラーニングを受けて修了証をもらうまでは、1年近くかかってしまいます。
実務経験が1年以上継続されている方は、そのまま2年の実務を続けておいた方が近道です
合格後 直ぐに、事務指定講習が受けられる訳でないので、それを踏まえた計画を立てましょう
学習する内容
学習する内容の詳細
講習内容は、社労士試験で扱う法令や手続きに加え、実務に直結する内容が含まれています。具体的には以下の科目を学びます
社労士試験の科目ではないものとして、年金裁定請求等の手続きが1科目として入っています
- 労働基準法および労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 年金裁定請求等の手続き(実務で重要なスキルを習得)
具体的なシチュエーション例
- 新卒合格者の場合
実務経験を積むには就職先を探す必要があるため、事務指定講習が選択肢になります。 - 転職希望者の場合
社労士資格を活かして新しいキャリアに挑戦したい場合、事務指定講習を修了することで選択肢が広がります。
事務指定講習を受講する意義とメリット
実務経験の代替
通常、2年以上の実務経験が必要な社労士登録ですが、事務指定講習を修了することで、登録に必要な条件を満たすことができます。これにより、実務経験を積むための就職先探しや転職活動に時間を割く必要がなくなります。
働きながら学べる柔軟性
事務指定講習は、通信指導課程とeラーニング講習の2部構成で行われます。どちらも自己ペースで進めることができるため、仕事や家庭の予定と両立しやすいのが魅力です。
資格を活かした早期のキャリア形成
講習を修了すれば、すぐに社労士登録が可能です。その結果、資格を活かして早期にキャリアアップを目指すことができます。
通信指導課程とEラーニング講習のスケジュール
通信指導課程は 4月間 と、eラーニング講習があります
・通信指導課程
日程 令和7年2月1日〜5月31日
教材によって自己学習し、郵便により添削指導
・eラーニング講習の始め方 働きながらでも受講できる?
日程 令和7年7月11日〜9月11日
事前に割り当てられたログインIDとパスワードでアクセスして、受講を開始します
動画学習なので、働きながら受講することができます
1科目 3時間の動画学習
各科目ごとに、試験があります。 動画を視聴していれば解る範囲の内容
eラーニング講習は、事務指定講習の中でも特に柔軟性の高い学習方法です。以下のポイントを押さえると効率的に進めることができます
学習の準備
- 事前に割り当てられるログインIDとパスワードを利用して、学習サイトにアクセスします。インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも受講可能です。
効率的な受講のコツ
復習を怠らない
動画視聴後は必ずメモを見返し、試験に備えましょう。
スケジュールを細かく区切る
1科目3時間程度の動画を複数回に分けて視聴すると、集中力が保てます。
働きながら学ぶ工夫
通勤時間や昼休みなど、隙間時間を活用して学習を進めるのがおすすめです。
年間スケジュールのイメージ
時期 | 内容 | 方法 | 備考 |
---|---|---|---|
2月~5月 | 通信指導課程 | 郵便・教材学習 | 添削指導あり |
7月~9月 | eラーニング講習 | 動画学習 | 試験あり |
9月末~10月 | 修了証発行 | ダウンロード | 社労士登録可能に |
費用や申し込み方法
受講費用
事務指定講習の費用は77,000円(税込)です。受講料には教材費や運営費が含まれています。
申し込み期間
申し込みは毎年11月中旬から12月初旬にかけて行われます。全国社会保険労務士連合会の公式サイトで案内されますので、必ずチェックしましょう。
第44回(2025年2月~)のお申込みは、
申込期間は令和6年11月8日~11月29日(当日消印有効)です
注意点
- 申し込み期間を逃すと、翌年まで受講できません。早めの準備が重要です。
- 支払い方法や教材の送付時期も確認しておきましょう。
修了条件と修了後の選択肢
「通信指導課程の議題を期間内に提出」「eラーニング講習を全て動画学習する」「各科目ごとの試験で良好な成績を収める」全て満たすことができれば修了証がもらえます(ダウンロードにより入手)
修了すれば、実務経験2年以上と同様になります。
修了後の進路
修了証を取得すれば、社労士登録が可能です。有効期限が無いため、登録時期を柔軟に決められるのも利点です。
修了証に期限は無いため、いつでも社労士登録できる状態になります
よくある質問(FAQ)
Q1. eラーニングの動画は何度でも視聴できますか?
はい、期間内であれば繰り返し視聴可能です。
Q2. 修了証を取得したらすぐに社労士登録できますか?
必要書類を揃えた上で登録申請を行う必要があります。詳細は各都道府県の社労士会に問い合わせてください。
Q3. 実務経験がある場合も事務指定講習を受けるべきですか?
実務経験が2年以上ある場合は不要です。講習の費用や時間を節約できます。
まとめ
事務指定講習は、実務経験の有無に関わらず、社労士登録を目指す方にとって非常に重要なステップです。講習を効率的に進めるためには、計画的なスケジュール管理と柔軟な学習スタイルが求められます。
成功するためのポイント
- スケジュールを立て、無理なく学習を進める。
- 費用や申し込み期間を事前に把握し、準備を怠らない。
- 働きながらでも効率的に学べる方法を模索する。
これらのポイントを押さえれば、講習の修了は十分に可能です。ぜひ事務指定講習を活用して、社労士としての第一歩を踏み出しましょう。