「時間が足りなかった…」を防ぐために
社労士試験を受験した人の感想で、毎年多く聞かれるのが、
「午後の択一式で時間が足りなかった……」
という声です。
社労士試験は、法律知識を問う国家資格試験ですが、合否を左右するのは知識だけではありません。
限られた時間の中で、どの問題から解き、どの問題を後回しにするか。
この「時間配分」と「解く順番」が、本試験では非常に重要になります。
特に午後の択一式試験は210分という長丁場です。
「210分もあるなら余裕では?」と思うかもしれません。
しかし実際には、
- 長い問題文
- 初見の論点
- 判断に迷う選択肢
などがあり、時間との戦いになります。
難しい問題に時間を使いすぎると、最後まで解き切れず、本来なら正解できた問題を落としてしまうことも珍しくありません。
反対に、時間配分を意識して受験した人は、焦ることなく最後まで問題を解き切り、合格へ近づいています。
この記事では、
- 社労士試験のおすすめ時間配分
- 合格者が意識している解く順番
- 時間切れを防ぐコツ
- 試験当日にやってはいけないNG行動
- よくある質問
まで詳しく解説します。
初めて受験する方はもちろん、リベンジ受験の方にも役立つ内容です。
社労士試験の試験時間を確認しよう
まずは、本試験の時間を確認しておきましょう。
午前:選択式試験
- 試験時間:80分
- 問題数:8問(各5点)
選択式は、文章中の空欄に入る語句を選ぶ問題です。
1問あたり約10分使える計算になるため、択一式ほど時間に追われることはありません。
しかし、
「あと少し考えれば思い出せるかも」
と1問に時間を使いすぎると、見直し時間がなくなります。
迷った問題は印を付け、一度飛ばして最後に戻るようにしましょう。
午後:択一式試験
- 試験時間:210分
- 問題数:70問(5肢択一)
午後の択一式こそ、時間配分が重要になります。
単純計算では、
210分 ÷ 70問 = 1問あたり約3分
です。
しかし、この3分の中には、
- 問題文を読む
- 選択肢を読む
- 正誤を判断する
- マークシートを塗る
というすべての作業が含まれます。
つまり、「3分もある」のではなく、「3分しかない」と考えた方がよいでしょう。
なぜ時間配分が重要なのか
社労士試験は、満点を取る試験ではありません。
大切なのは、合格基準点を超えることです。
そのため、
難問を1問正解することよりも、
基本問題を確実に正解する方が、合格には近づきます。
例えば、
難問に6分使ってようやく正解するより、
その6分で基本問題を2問正解できれば、得点は大きく変わります。
合格者ほど、
「難しい問題は後回し」
という判断が上手です。
本番では、
「全部解こう」ではなく、「解ける問題を確実に取ろう」
という意識で臨みましょう。
おすすめの時間配分
それでは、実際の時間配分を紹介します。
選択式(80分)
おすすめは、
- 1周目:60分
- 見直し:20分
です。
まず60分で全問題を解き、
迷った問題にはチェックを付けて先へ進みます。
残り20分で落ち着いて見直しを行えば、焦らず解答できます。
特に3問獲得確実にできていない科目に集中できます

選択式は「高得点」よりも「基準点クリア」を意識しよう
選択式試験では、各科目で基準点(原則3点)を下回らないことを意識しましょう。
社労士試験は総合得点だけでなく、科目ごとの基準点もクリアしなければ合格できません。
そのため、すべての問題を完璧に解こうとして時間を使い過ぎるよりも、まずは各科目で基準点を確保することが重要です。
例えば、ある科目で「2点は取れているが、あと1問だけ自信がない」という状況であれば、その1問が合否を左右する可能性があります。
だからこそ、選択式の最後には見直しの時間を確保し、2点しか取れていないと思われる科目があれば、その科目に時間を使いましょう。
択一式(210分)
社労士試験では、選択式よりも択一式の方が時間不足になりやすいといわれています。
択一式は問題数が多く、長文問題や判断に迷う選択肢もあるため、気付けば予定より時間を使ってしまうことも少なくありません。
そのため、時間配分を意識せずに解いていると、最後まで解き切れなかったり、見直しの時間が取れなかったりする可能性があります。
おすすめの時間配分はこちらです。
- 1周目:170分
- 飛ばした問題:30分
- マーク確認:10分
この配分なら、
難問に時間を使いすぎても、最後に調整する時間を確保できます。
また、最後の10分は問題を解くのではなく、
- マークミス
- 解答欄のずれ
- 塗り忘れ
を確認する時間として使うのがおすすめです。
時間配分をイメージしてみよう
午後の択一式では、あらかじめ「どの時間までにどこまで進むか」を決めておくと、落ち着いて受験できます。
択一式(210分)の時間配分例
択一式試験は13:00~16:30の210分です。
1科目あたり約25分を目安に進めると、最後に約35分の見直し時間を確保できます。
| 時刻 | 科目(目安) |
|---|---|
| 13:20~13:45 | 労働基準法・労働安全衛生法 |
| 13:45~14:10 | 労働者災害補償保険法(徴収法を含む) |
| 14:10~14:35 | 雇用保険法(徴収法を含む) |
| 14:35~15:00 | 一般常識(労一・社一) |
| 15:00~15:25 | 健康保険法 |
| 15:25~15:50 | 厚生年金保険法 |
| 15:50〜16:15 | 国民年金法 |
| 16:15~16:40 | 飛ばした問題の見直し・解き直し |
| 16:40~16:50 | マークミス・解答欄の最終確認 |
※これは一例です。得意・不得意に合わせて、自分なりの時間配分を模試や過去問演習で確認しておきましょう。

科目別の時間配分は人それぞれです。得意・不得意によって最適な進め方は異なるため、模試や過去問で自分に合った方法を見つけておくことが大切です。
ちなみに、私は本試験で次の順番で解き進めました。
国民年金法 → 厚生年金保険法 → 健康保険法 → 一般常識(社一・労一)
労働基準法→労働災害補償保険法→雇用保険法
この順番にした理由は、配点が高く時間もかかる年金科目や健康保険法に、集中力が高いうちに取り組みたかったからです。
一方、一般常識(社一・労一)は比較的短時間で解き進められることが多く、試験の前半から後半へ切り替えるタイミングとしてもちょうど良いと感じました。
もちろん、この順番がすべての受験生に合うとは限りません。
大切なのは、本試験で初めて試すのではなく、模試や過去問演習で実際に試し、自分が最も落ち着いて解ける順番を見つけておくことです。
社労士試験でおすすめの解く順番
「問題は最初から順番どおりに解くべきですか?」
これは社労士試験直前になると、多くの受験生が気になるポイントです。
結論からお伝えすると、
本試験で解く順番を変えるのはおすすめしません。
なぜなら、本試験は新しい方法を試す場ではなく、これまで積み重ねてきた実力を発揮する場だからです。
もし模試や過去問で、
- 最初から順番どおり解く
- 得意科目から解く
- 苦手科目を後回しにする
など、自分なりのスタイルがあるなら、本番でも同じ方法で解きましょう。
本番だけ急に解き方を変えると、
- ペースが乱れる
- 焦りやすくなる
- 本来なら正解できる問題まで落としてしまう
というリスクがあります。
合格者が実践している「3段階」の解き方
社労士試験では、すべての問題を同じように考える必要はありません。
おすすめは、問題を次の3つに分けることです。
① すぐに解ける問題
問題を読んだ瞬間に答えが分かる問題です。
このような問題は迷わず解答しましょう。
ここで時間を稼ぐことが、後半の余裕につながります。
② 少し考えれば解ける問題
「どちらだったかな?」
と少し迷う問題です。
長くても2分程度で判断できるなら、その場で解いて構いません。
ただし、考え込み過ぎないよう注意しましょう。
③ 難問・初見の問題
見たことがない論点や、判断に時間がかかる問題です。
このような問題は印を付け、一度飛ばしましょう。
難問に時間を使い過ぎると、後半で時間切れになる原因になります。
「飛ばす勇気」が合格につながる
真面目な受験生ほど、
「全部解かなければ」
と思いがちです。
しかし、社労士試験ではそれが落とし穴になります。
例えば、
1問に6分使ってしまうと、本来なら2問解ける時間を失うことになります。
その結果、
後半の基本問題を解く時間がなくなれば、本末転倒です。
迷ったら、
「あとで戻る」
と割り切ることも、大切な試験戦略です。
時計を見るタイミングを決めておこう
試験中に何度も時計を見ると、
「もうこんな時間!」
と焦ってしまいます。
おすすめは、あらかじめ時計を見るタイミングを決めておくことです。
例えば、
- 試験開始30分後
- 残り120分
- 残り60分
- 残り30分
- 残り10分
このように区切って確認すれば、必要以上に時間を気にせず集中できます。
時間切れになる人の共通点
毎年、「時間が足りなかった」という受験生には共通点があります。
① 難問にこだわり過ぎる
「もう少し考えれば思い出せるかも」
と粘ってしまい、気が付けば5分以上経っていることがあります。
分からない問題は一度飛ばし、最後に見直しましょう。
② 問題文を何度も読み返す
社労士試験では長文問題もあります。
一字一句を丁寧に読むことも大切ですが、「何が問われているか」を意識して読むことで、時間を短縮できます。
③ マークを最後にまとめて塗る
「最後に全部マークしよう」
という方法はおすすめできません。
時間切れやマークずれの原因になるからです。
5~10問ごとなど、自分なりのタイミングでマークする習慣をつけておきましょう。

私自身は、10問解き終えるごとにマークシートへ記入するようにしていました。
もちろん、問題を解きながら1問ずつマークする方法でも構いませんが、私には10問ごとにまとめてマークする方が合っていました。
また、このマーキングの時間は、単に解答を記入するだけではありません。
「ここで一区切り」と気持ちを切り替える、ちょっとしたブレイクタイムとしても活用していました。
問題を解き続けていると、どうしても集中力が落ちてきます。
そこで、マークシートを塗る数十秒を利用して一度頭をリセットし、次の問題へ新しい気持ちで取り組むよう意識していました。
人によって合う方法は異なりますが、模試や過去問演習で試してみると、自分に合ったリズムが見つかるかもしれません。
④ 完璧を目指してしまう
社労士試験は満点を取る試験ではありません。
すべての問題に時間をかけるより、
「取れる問題を確実に取る」
という意識が大切です。
模試で時間配分を完成させよう
時間配分は、本試験当日に考えるものではありません。
模試や過去問演習の中で、
- どの順番で解くか
- どこで時計を見るか
- どれくらいで1周するか
を決めておきましょう。
本番は、その練習の成果を発揮するだけです。
ゆるパパブログから受験生へ
模試では時間が足りなくても、本試験までに時間配分を見直せば十分改善できます。
大切なのは、「完璧に解くこと」ではありません。
最後まで解き切ることです。
難問に出会っても焦らず、「この問題は他の受験生も難しいはず」と気持ちを切り替えましょう。
冷静さを保てる人ほど、本来の実力を発揮できます。
社労士試験当日にやってはいけないNG行動7選
社労士試験では、知識だけでなく「当日の行動」も合否を左右します。
模試では解けていたのに、本番では緊張や焦りから実力を発揮できなかったという人も少なくありません。
ここでは、本試験当日に避けたいNG行動を紹介します。
NG① 本番で新しい解き方を試す
「この方法なら点数が伸びるかも」
そんな気持ちで、本番だけ解く順番を変えるのはおすすめできません。
模試や過去問で慣れている解き方こそ、あなたが一番実力を発揮できる方法です。
本試験は新しいことに挑戦する日ではなく、これまで積み重ねてきた学習成果を発揮する日だと考えましょう。
NG② 難問にこだわりすぎる
どれだけ勉強していても、難しい問題や見たことのない問題は出題されます。
そこで時間を使いすぎると、後半の基本問題まで解く時間がなくなってしまいます。
「迷ったら後回し」
このルールを徹底するだけでも、時間切れを防ぎやすくなります。
NG③ 周りの受験生を気にする
試験会場では、
- ページをめくる音
- 電卓ではなく腕時計を見るしぐさ
- 早く解き終えた人が退出する様子
などが気になるかもしれません。
しかし、周りの受験生がどこまで進んでいるかは関係ありません。
人によって得意科目や解くペースは違います。
他人ではなく、自分の問題だけに集中しましょう。
NG④ 時計ばかり見て焦る
時間配分は大切ですが、数分おきに時計を見ると集中力が切れてしまいます。
事前に、
- 残り180分
- 残り120分
- 残り60分
- 残り30分
- 残り10分
など、確認するタイミングを決めておくと安心です。
NG⑤ 選択式試験終了後に答え合わせをする
午前の選択式試験が終わると、
「何問正解できただろう」
と気になってしまう人も多いでしょう。
しかし、昼休みにSNSや解答速報を見て答え合わせをするのはおすすめできません。
なぜなら、午前の試験はすでに終了しており、結果を変えることはできないからです。
もし答え合わせをして、
「この問題を間違えた…」
と気付いてしまえば、そのショックを引きずったまま午後の択一式に臨むことになります。
実際、午後の試験は210分と長丁場です。
午前の結果を気にして集中力を欠いてしまえば、本来取れるはずだった点数まで失う可能性があります。
昼休みは、
- 軽く昼食を取る
- 水分補給をする
- 午後に向けて気持ちを切り替える
ことを優先しましょう。
答え合わせは、すべての試験が終わってからで十分です。
NG⑥ 昼休みに勉強しすぎる
「最後の1分まで勉強したい」
その気持ちはよく分かります。
しかし、何冊ものテキストを広げて新しい知識を詰め込もうとすると、かえって不安が大きくなることがあります。
昼休みに確認するなら、
- 法改正のポイント
- 自分でまとめたノート
- 頻出事項のチェックリスト
程度にとどめておきましょう。
午後に集中力を維持するためには、心と体を休めることも大切です。
NG⑦ 最後で諦めてしまう
試験終了が近づくと、
「もう間に合わない…」
と気持ちが切れてしまう人もいます。
しかし、社労士試験は1点差で合否が分かれることも珍しくありません。
残り5分でも解ける問題はありますし、最後の見直しでマークミスに気付くこともあります。
試験終了の合図があるまで、最後の1分、最後の1秒まで目の前の問題に集中しましょう。
合格者が本番で考えていること
合格者は、「全部正解しよう」とは考えていません。
むしろ、
- 解ける問題を確実に取る
- 難問は後回しにする
- 焦らず最後まで解き切る
という意識で試験に臨んでいます。
本試験では、難しい問題に出会うこともあります。
そんなときは、
「この問題は、自分だけでなく他の受験生も難しいはずだ」
と気持ちを切り替えることが大切です。
冷静さを保てる人ほど、本来の実力を発揮できます。
ゆるパパブログから受験生へ

本試験では、思いどおりに解けない問題が必ず出てきます。でも、それはあなただけではありません。同じ会場で受験している人も、同じように悩み、迷いながら問題を解いています。だからこそ、「難問を追いかける」のではなく、「解ける問題を最後まで取り切る」ことを意識してください。社労士試験は満点を競う試験ではありません。合格点を積み重ねる試験です。これまで努力してきた自分を信じて、最後まで自分のペースで試験に臨みましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 社労士試験は時間が足りなくなる人が多いですか?
はい。特に午後の択一式試験では、「時間が足りなかった」という感想が毎年多く聞かれます。
そのため、本試験前に過去問や模試を時間を計りながら解き、自分に合った時間配分を身につけておくことが重要です。
Q2. 問題は最初から順番どおりに解くべきですか?
普段から順番どおりに解いているなら、本番でもそのままがおすすめです。
一方で、模試で「得意科目から解く」方法を実践しているなら、そのやり方を変える必要はありません。
本試験で新しい解き方を試すことは避けましょう。
Q3. わからない問題は飛ばしても大丈夫ですか?
もちろんです。
1~2分考えても答えが見えてこない問題は、一度飛ばして後から見直しましょう。
難問に時間を使い過ぎるより、解ける問題を確実に正解することが合格への近道です。
Q4. 見直し時間はどれくらい必要ですか?
最低でも10分程度は確保したいところです。
見直しでは、
- マークミス
- 解答欄のずれ
- 問題の読み違い
- 塗り忘れ
などを重点的に確認しましょう。
Q5. 腕時計は必要ですか?
はい。試験会場によっては時計が見えにくい場合もあります。
普段使い慣れている腕時計があると、時間配分を確認しやすく安心です。
なお、スマートウォッチなど使用できない機器もあるため、事前に受験案内で確認しておきましょう。
試験当日のチェックリスト
試験当日の朝は慌ただしくなりがちです。
出発前に、次の項目を確認しましょう。
☑ 受験票
☑ 本人確認書類(必要な場合)
☑ HBまたはBの鉛筆・シャープペンシル
☑ 消しゴム
☑ 腕時計
☑ 昼食・飲み物
☑ 上着(冷房対策)
☑ 常備薬・目薬など必要なもの
☑ 試験会場までのルート確認
前日のうちに準備を済ませておくことで、当日の不安を減らすことができます。
社労士試験は「満点」を目指す試験ではない
社労士試験では、すべての問題を正解する必要はありません。
合格に必要なのは、合格基準点を超えることです。
だからこそ、
- 解ける問題を確実に得点する
- 難問にこだわり過ぎない
- 時間配分を守る
- 最後まで解き切る
この4つを意識することが、合格への近道になります。
知識が十分あっても、時間配分を誤れば実力を発揮できません。
反対に、冷静に時間を使えれば、本来の力を十分に発揮できるでしょう。
まとめ
社労士試験は、知識だけでなく「時間の使い方」が結果を左右する試験です。
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 午前・午後それぞれの時間配分を事前に決めておく
- 模試と同じ解く順番で本番に臨む
- 難問は後回しにして、解ける問題を優先する
- 選択式終了後に答え合わせをしない
- 昼休みは午後の試験に向けて気持ちを切り替える
- 最後まで諦めず、見直しの時間も確保する
本番では、誰でも緊張します。
しかし、緊張するのはあなただけではありません。
周りの受験生も同じように、不安を抱えながら試験に臨んでいます。
だからこそ、焦って新しいことをする必要はありません。
これまで模試や過去問で積み重ねてきた努力を信じ、自分のペースで最後まで解き切ってください。
社労士試験は、満点を取る試験ではなく、合格点を積み重ねる試験です。
落ち着いて、目の前の1問1問に集中しましょう。
皆さんが実力を発揮し、合格をつかめることを心から応援しています。
本試験前に、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

