はじめに
社労士試験と聞くと、「膨大な範囲を覚えなければならない暗記ゲー」というイメージを持つ方が多いでしょう。また、合格率が例年10%前後と非常に低いことから、「無理ゲー」と感じる受験生も少なくありません。しかし、本当に社労士試験は暗記だけで突破できる試験なのでしょうか?今回は、「暗記ゲー」「無理ゲー」と呼ばれる理由を明らかにし、効率的に合格を目指すための具体的な勉強法を紹介します。
1. 社労士試験はなぜ「暗記ゲー」と呼ばれるのか?
社労士試験は、膨大な法律や制度について学ぶ試験です。「労働基準法」「労働安全衛生法」「労災保険法」「徴収法」「雇用保険法」「健康保険法」「国民年金法」「厚生年金保険法」「社会保険一般常識」「労働一般常識」10教科もあり、試験範囲は非常に広く、覚えなければならない内容も多岐にわたります。たとえば、以下のような項目を正確に記憶する必要があります:
- 法律の条文や要件
- 重要な数字(例:年金の受給額、給付日数など)
- 制度の細かいルールや例外
さらに各科目に基準点があり、合計点に達していても、1科目 基準点に満たしていなければ
不合格になってしまいます。特に 選択式問題は、すべての科目5点中3点確保しなければならないため 毎年、1点不足で落ちてしまう受験生がたくさんいます。
その試験問題の広さと合格率の低さから「暗記ゲー」と呼ばれるのです。
さらに、問題形式も選択肢の中から正確な知識を選ぶことを求めるため、単純な暗記だけでは対応が難しい問題もあります。
2. 本当に暗記だけで合格できるのか?
結論から言うと、暗記だけでは合格は難しいです。暗記は試験突破の重要な要素ですが、理解や応用力がなければ問題を解くことができません。具体的には以下の理由があります:
- 複雑な問題への対応が難しい
- 社労士試験では、実務に即した問題や複雑な事例が出題されることがあります。ただ条文を暗記するだけでは、こうした問題に対応できません。昔は過去問題そのままの出題などありましたが、ここ最近では実務的な問題も多くなってきました
- 例えば、「○○な場合の給付額はいくらか?」といった計算問題や、「このケースで適用される法律は何か?」といった応用問題が出されます。
- 記憶の定着に理解が必要
- 背景や目的を理解せずに暗記しても、すぐに忘れてしまいます。一方、内容をしっかり理解していると、記憶が長期間持続しやすくなります。
- 選択肢の迷いを減らすために理解が不可欠
- 試験では、似たような選択肢がある問題が多く出題されます。暗記だけに頼ると、選択肢に迷ってしまいますが、理解を伴うと判断がしやすくなります。
- 選択式問題の1点を確保
この試験の最大の難関、選択式問題を全教科3点以上確保するには、暗記だけに頼っていては
記憶していない問題が出題されると、対応できません。今までの知識をフル回転させ、一点をもぎ取る瞬間が出てきます
3. なぜ「無理ゲー」と感じるのか?
社労士試験の合格率が10%前後と低い理由は、次のような点にあります:
- 試験範囲の広さ
社労士試験は、他の資格試験と比べても圧倒的に範囲が広く、前にやったことを忘れてしまうことがあり、モチベーションを保つのが大変です - 出題形式の多様性
択一式問題と、選択肢問題があり、どちらにも対応する準備が必要です
択一問題 5枝択一 1問 3分以内で素早く解けるようにする
選択問題 全科目5点中 3点取れるように 基本的な数字、言葉を完璧に記憶する - 勉強時間の確保が難しい
社会人が多い受験生にとって、仕事と勉強を両立させることが課題となります。特に効率の悪い勉強法を続けてしまうと、時間が足りなくなり、結果的に「無理ゲー」と感じてしまいます。
4. 無理ゲーを攻略する具体的な勉強法
では、どのように勉強すれば「無理ゲー」を克服し、合格を目指せるのでしょうか?以下に具体的な方法を紹介します。
① テキストを読みを必ず行い、基本問題を完璧にする
- 細かい知識の習得に走らず、基本問題を確実にマスターする
- 過去問題は、瞬時に解けるようになるまで、記憶を定着するよう繰り返し学習する
- 最終的には、選択問題が合格の鍵となるので、テキスト読みは必ず行う
② スキマ時間を活用する
- 忙しい社会人にとって、スキマ時間は貴重な学習時間です。
- スマホアプリや単語カードを使って、通勤時間や休憩時間に短時間でも復習を行う。
③ 視覚や語呂合わせを活用する
- 条文や数字を覚える際、表やイラストを活用すると記憶に残りやすくなります。
- 語呂合わせを使うことで、覚えにくい部分を楽しく記憶することができます。
④ 理解を深める工夫をする
- 制度の背景や目的を調べ、どのような状況で適用されるのかをイメージする。
- 実務的なケースを想定して、「この場合はどうなるのか」と考えながら勉強する。
⑤ 計画的に学習を進める
- 全体の試験範囲を月単位、週単位で細分化し、スケジュールを立てる。
- 計画を実行しながら、進捗をチェックして必要に応じて調整する。
5. 無理ゲーを超えた勉強法
実際に社労士試験に合格した方々の多くは、2回〜3回で合格されてます
1回で合格する方が稀なので、不合格になっても諦めず続けることが大切です
1回では無理ゲーでも、粘り強く続ければ 必ずや合格できる試験です。
最終的には選択式問題の基準点確保が最大の難関になりますので、選択式試験の攻略が大きな鍵となります
おわりに
社労士試験は確かに「暗記ゲー」や「無理ゲー」と言われることが多いですが、効率的な勉強法を取り入れることで合格は十分可能です。暗記と理解をバランスよく組み合わせ、計画的に学習を進めることが成功の鍵です。
社労士資格を取得することで得られるキャリアアップやスキル向上を目指し、自信を持ってチャレンジしてください!